雨上がり

夜7時、夕食を食べ終わり、皿洗いをした後、なんとなく散歩にでかけたくなった。いつもならシャワーを浴び、歯磨きをして、10時くらいまで家で自由に過ごして、寝るところである。

現在、夜9時半。あと30分ほどで寝る時間である。そう考えたら散歩から帰ってきたら、さっとシャワーを浴び、歯磨きをして寝るべきである。「べき」こやつが。いつものおれの思考が、帰りに買った缶コーヒーをベランダで飲みながら「書くか」と。

シャワーを浴びたあと書いてもよかった。だがそれは、いつもの「べき」思考である。書けるタイミングというのは、意外と少ない。「書きたい」という感情に「あとで」で付き合うと、ものの数分後には「まあいっか」と収縮していることがある。

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雨上がりの夜の散歩、風はふいていないが、「気持ちがいい」と感じるには十分な気温である。さきほど降った雨の水分がもわんと空気中に漂っていて、街の匂いをだしている。暗くなるだけで、音は静かではなくても、静かに感じる。街が「今日1日おわるね」と一息ついている。

最近のおれは、がんばっていると思う。平日の仕事をしていないときは、自分のビジネスを育てる作業をしている。仕事をしていないときは仕事をしている。だいたい仕事をしているのだ。

それでふと振り返ってみると、あんまり息抜きできていない。とはいっても、きつい、つらい、そういうことではない。俯瞰して「息抜きしてないな」と思うのである。それで、ちょいと散歩に出かけたのがあった。

音楽も聴かずに、スマホもにぎらずに、かつては当たり前だったであろう「ただ歩く」ことをしていると、フェードアウトしていた感情に気づく。マンションの灯りをみて「あ、おれマンション萌えだったな」とか「歩くっていいよな」とか、思い出す。

とはいっても、やっぱり本屋に行ってしまうのである。散歩といっても、適当にぶらつくというよりは、とりあえずの目的地は決める。隣駅の本屋が21時までやっていることを確認して、家をでたときの目的地は本屋になっていた。結局なにも買わなかったが。

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いまは、ある意味での収穫時期なのかもしれない。とりあえず、一旦の。この前ポッドキャストでしゃべったが、いまの自分は「やりたいこと」よりも「できること」に焦点を当ててビジネスを設計している。マズローの欲求5段階説でいう、安全の欲求あたりを満たそうとしているのだろう。

37年ほど生きていて、いくつかのことをやってきて、なんとなく、できることは増えている。そうして得たスキルを活かして、なんちゃって集大成みたいな感じで「なにができるかな」とやっているのかもしれない。

とはいっても、「やりたいこと」は見つけたいのだ。できることだけやっていては、どこかで満たされないだろうと思う。マズローでいう承認欲求とか自己実現とか、そのあたりの上のほうにもどこかのタイミングでいきたいのはある。焦ってはいないが、少しずつ、ピラミッドを積んでいきたい。

平熱、平温、平穏。これらの単語に感性、情緒といった単語もブレンドしていきたいところである。ほんとうに淡々としてしまってはいけないような気がする。

海はべたべたしてあまり好きではないから、砂浜で眺めていたいタイプだが、たまには「いっちょいったるか」と泳いで、中をのぞいて、ときにはボードを調達して波にも乗っかってみてもいいだろう。

そんなことを淡々と考えている。そろそろねむい。

yoshikazu eri

当サイトの運営人。大阪生まれ千葉育ちの87年生まれ。好奇心旺盛の飽き性。昔は国語が苦手だったが『海辺のカフカ』を2日間で読破した日から読書好きに。気づいたら2時間散歩している。

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