生き物としての好奇心

退職してからまず好奇心が向いたのは、コンピュータ・サイエンス(以下、CS)であった。「ほしいと思ったサービスを自分でつくりたい」という欲求からプログラミングには興味があったが、ChatGPTなどのAIの進化で「いや、プログラミング勉強する必要なくなるのでは?」という雰囲気がでてきて、それでも「基礎は知りたい」という欲求からであった。

その好奇心は1週間ほどで落ち着き、この次はAIを活用したYoutubeチャンネルの運用をはじめた。これは3ヶ月ほど動いた。チャンネル数も5つまで増えていくなかで、他の好奇心とも付き合いつつ並行して進め、作業量を調整したりしつつ、効率化ではなく手抜きになっていることに気づき、保留とした。

この間、動画制作の延長線としての「3Dモデリング」にも興味がわき、Blenderをやってみた。たぶん、2週間くらい動いたと記憶している。

そんでデザインにも興味がわき、Affinity Designer(買い切りのイラレのようなもの)のUdemyコースを買ってみて、ちょいとやった。これは1週間で落ち着いた。グラフィックデザインには興味があって、それの変換物としてグッズ制作とかよいのではないか、アナログのものになるって楽しそうだぞ、というものであった。

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こうして好奇心が右往左往していくなかで、日々インプットもするなかで「アイデアをちゃんと発酵させたい」と思い立つ。そこでワードプレス卒業という意味でFigmaに好奇心がうつる。Youtubeで基礎をやってみた。この前、UdemyのFigmaモーションデザインコースも買い、25%ほどやってみた。落ち着いた。

ここで以前から知っていたツェッテルカステンというノート術について調べ、「サイト、一般公開しなくてもいいのでは?」となり、Obsidianで構築しはじめてから3週間ほどが経とうとしている。これは現在も動いている。

それでいま『創るためのAI 機械と創造性のはてしない物語』という本を読んでいて、これによって好奇心が再び「AI」に戻っている。CSにも戻ってきている。「AIにはなにができるのか」という理解への解像度がかなり低いことを自覚した。この解像度を高めるためには、CSもしくは他のものでちょっと勉強が必要ではないか、という感じになってきた。

AIの進化でディレクション能力が重要になる、とはよく言われているが、AIに「これをこうして」と注文をつける能力を高める必要があるように感じてきた。といってもまだ読んでる最中だから、好奇心はくすぶり最中という感じではあるが。

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こうして書いてみると、「なにかをやっては、やめている」ともとれるし、「なんも続いてないじゃないか」というようにも見える。

でもそうではなくて、たぶん、なんとかして自分なりに「全体像」というものをつかもうとしているのだと思う。

ある分野に興味がわいては、その穴をちょっと掘ってみる。そうしていると、頭上になにやらおもしろいものが飛んでいることに気づき、穴掘りを中断する。それを追ってみる。そうしていると、違う穴を見つける。また掘ってみる。お、またなんか変なのが飛んでるぞ、と移動する。

そうやっていろいろなところで穴を掘りながら、それらを薄く、ときには濃く繋いでみようと試みているのだろうと思う。

「と思う」と書いているのは、もうあんまり「続いた」「続かない」という考え方はやめて、「好奇心は生き物なんだから、自分でコントロールするものではあまりない。理性はあんまりぶつけない」という感じになっているから、なんか変に客観視になっているのだと思う。あ、ここでも「思う」だ。ふーぬ。

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そうやって〈好奇心〉を草原にはなしながら、ツェッテルカステンをコンパス代わりにしよう、と。これがあることで完全に無造作ではなく、ちょっとだけ理性をふっかけて、「お、次はここにキミは行きたいのだね」と誘導してあげるようなぬか床(ツェッテルカステン)をつくろうとしている。

こうやって、なにかをやっては、はなれて、帰ってきて、掘って、またはなれて、違う場所を掘って、それによって前の穴の見え方が変わって、掘って、みたいにやっているのだろうか。ひとつひとつの穴を個別にみると「放置されている」となるが、全体として眺めてみると、ひとつの大きな絵のようなものを好奇心で描いているのではないか、と思う。

ふーぬ。

※サムネはUnsplashより。縦型だったのでトリミングした。

yoshikazu eri

当サイトの運営人。大阪生まれ千葉育ちの87年生まれ。好奇心旺盛の飽き性。昔は国語が苦手だったが『海辺のカフカ』を2日間で読破した日から読書好きに。気づいたら2時間散歩している。

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