暮らしと仕事

「どういう働き方がしたいか」というのを起点に行動してきたのがここ10年弱だとしたら、いまの状況というのは「どういう暮らしがしたいか」が起点になっている。仕事ありきの暮らし方ではなく、暮らしありきの仕事・働き方なんだな、と最近になってやっと気づいた。まぁ、10年くらいかけて。

東京での会社員生活以降は、「書きたい!」とブログをやってきたし、「撮りたい!」と動画をつくってきたし、「録りたい!」と音楽をちらっとつくってきた。どれも「やりたい!」という感情である。

そんでこの「やりたい!」はどうしたら「仕事」になるのか、ということを手探りでやってきた。やってきて今思うのは「これ、ちょっと違うよなぁなんか」ということである。

僕はよく「職人気質だね」と言われるから、まぁそうなのだろうと思う。だから「やりたい!」という好奇心は大事にしていきたいし、これからもなにかの「やりたい!」を見つけて、死ぬまでやっていくんだと思う。

ただどうやら、この「やりたい!」を自分のペースでやるのが大事なようである。でも、「やりたい!」と「仕事」をつなげていくと、もちろん自分のペースというのは保てない。稼がないといけないから。

この「やりたい!」っていう感情、そこから繋がる行動というのは、自分にとっては聖地みたいなものなのかもしれない。誰にも邪魔されずに、自分のペースでやっていく。

ということで10年くらい「やりたい!」と「仕事」をつなげようと努力してきて思うのは、「繋げちゃいけなかったな」ということである。「10年」というと「そんなにかかったか」と思うけど、人生そんなもんだと思う。たぶん。


で、「暮らし」の話である。きっかけは、鳥取にある友人の家に1週間ほど遊びにいったときのことである。

古民家でネコがいて、「ゆっくり時間が流れるっていうのはこのことか」と本や雑誌を読んでも映像で見てもわからなかったことを体感できた。「暮らしって大事だな」とふと思った。

どこに住むのか、どんな環境で暮らすのか、によって暮らしのテンポが決まってくる。仕事のテンポに合わせるのではなく、暮らしのテンポを合わせて「じゃあ仕事はどうするか」という話なんだなと気づいた。

つい「仕事どうしようかなぁ」となってしまっていた自分がいたのだけど、いやいや、大事なのは「どういう暮らし方がしたいかなぁ」ということなんだなぁと。


おとなの新路相談室」というサービスを利用して、ホストの方が「暮らしがベースとなって、その土地の仕事もつくっているんだと思います」と話されていたのが印象的だった。

その土地の空気感とか人の雰囲気というのがあって、それがベースとなって仕事が生まれているんだろうし。だから、暮らしから見て、その次に仕事を見る、っていうのは心地よい人生に向きやすいのかもしれない。

例えば、ある土地にいって「いいなぁ」と思ったとき、それは自分と相手のテンポが合うようなもので、そこで仕事を探してみると、また「いいなぁ」となりやすいのかもしれない。


いまは地方移住も選択肢に入れながら、かといって「ここが気になってる」というのもない。だから正直ちょっと選択肢が多すぎて行き詰まってる感はある。

まぁでも力まず、焦らず、ネットで探してばかりいないで、たまには足を動かして、人と話してみて、タイミングや縁というもの信じながら、ぼちぼちやっていこうと思う。

yoshikazu eri

当サイトの運営人。大阪生まれ千葉育ちの87年生まれ。好奇心旺盛の飽き性。昔は国語が苦手だったが『海辺のカフカ』を2日間で読破した日から読書好きに。気づいたら2時間散歩している。

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