切ないけど笑える – 『すべて忘れてしまうから』燃え殻

ツイッターのタイムラインで「Kindle版がセール中」と流れてきたので、勢いで昨日買った本がある。燃え殻という方が書いた『すべて忘れてしまうから』という本。「もえがら」と入力したらぼくのMacBook Proは「萌柄」と変換してきたが。ちなみに、セールはもう終わっているよう。

実はまだ読み途中で3割ほど読んだのだけど、これがおもしろい。「おもしろい」といっても爆笑とかコメディとかそういうことではなく、なんだか切なく、そしてクスッと笑ってしまうエッセイ集というか体験談の集まりである。

最近は株式会社の歴史とか資本論とか哲学とか、そういう堅苦しいむずかしい本を読むことが多かった。こういう軽い気持ちで読める本は久しぶり。

友達に会ったときに「この前こういうことがあってさ」「へ〜」と話すような内容が書いてあるのだけど、小説タッチな文章で、その場の光景が頭に浮かぶし、終わらせ方も余韻を残すようで、読んでる側が「そうかぁ」と空を見上げたくなるような読後感がある。

ひとつひとつが短いから少しずつ読める。一気に読むというよりも毎日ちょっとずつ読み進めたい。

味わいのある独り言

ぼくの今までのライティング経験としては、時間をかけて書いたものは解説的なものが多かった気がする。トピックを決めて、それについて調べあげ、それを丁寧にわかりやすく、しかるべき順番で書き、導入文と最後の問いかけ文も添えて。

これって「読者に語りかける」形式だったよなと振り返って思う。読み手のことを考えて情報整理をして、ときには語りかける。実際、「だなぁと思うんです」とか「なんですよね」といった文体で書くことに慣れてきた。

でも今はこのサイトでは、一種の「独り言」のような文体で書いている。まだちょっと違和感を感じながら書いているけど、ここを慣れていきたい。

というのも「小説を書いてみたいな」という欲求が昔からあり、さらにはこの感情を『小説家になって億を稼ごう』という本が追加で後押しをしてくれたのがある。

そういう流れがあって、燃え殻という方の文章が余計に光ってみえている。なんかこう、味わいのある独り言を書いてみたいなぁと思う。

小説をいつ書くか、というのはゆるーく考えていきたいのだけど、ここに向かうための実験場所としても、このサイトを活用していきたい。

yoshikazu eri

当サイトの運営人。大阪生まれ千葉育ちの87年生まれ。好奇心旺盛の飽き性。昔は国語が苦手だったが『海辺のカフカ』を2日間で読破した日から読書好きに。気づいたら2時間散歩している。

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