浅瀬ぶらぶらと潜水探検

情報感度の話でいえば、おれは平均よりは高いほうかもしれない。もはや日常生活と切っても切り離せなくなったテクノロジー系ニュースは海外のものが多く、実際おれが日々摂取するコンテンツの半分くらいは英語圏のものだったりする。

あと、そもそも学ぶこと自体が好きという”学習欲”人間で、そんでもって負けず嫌いの”最上志向”の持ち主でもあるから、「まだあまり知られていない情報をおれが知っている」というのは、ちょっと気分がいいものである。

とはいっても、その得た情報を「知ってる」で終わらすのか「掘っていく」のか、はそのときで変わっていく。ChatGPTを初めて触ったのは去年の12月だから早かったほうではあるものの、使いこなし具合は浅いほうで、そこまで掘ってはいない。

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今でも思い出す自分にとっての快感ディスカバリー体験というのは、散歩学からはじまった。

当時も今と同じように充電期間という感じで、なにかおもろいことはないかと探っていた。「俺はマンションに萌えるから、これを深めてくれる本はないのかなぁ」とAmazonを見ていたら「散歩学」という文字が飛び込んできた。その後、『街角図鑑』という本を買って、そこに書かれたキーワードから『路上観察学入門』という本に手を出した。今和次郎という人物を知った。気づいたら、哲学図鑑を買っていた。

スタート地点はマンション萌えだったのに、その好奇心の穴を掘った先にあったのは哲学であった。今では書店にいくときに哲学コーナーは長めに滞在することが多くなった。世界が広がった。

日々入ってくる情報を”浅瀬”とするなら、1つの好奇心の入り口から新しい言葉を知り、どんどん掘っていくのは”潜水”みたいなものだろうか。

つくづく思うのは、何かを知りたいときにはそれを調べるための言葉を知っていないといけない。当時のぼくは「路上観察」なんて言葉を知らなかったし「民俗学」なんて言葉を聞いたら「異国の民族を調査するんですか?」と思っちゃうようなレベルだった。新しい言葉を知ることは、思った以上に世界を広げてくれる。海で擬態している魚を見つけるような感覚だろうか。

Re: アナログに、情報感度を低くする。

「穴を掘る」という体験、言い換えれば無心に進んでいって好奇心のジェットコースターに乗るような体験だろうか、これを求めている一方で、新しいサービスを日々見つけては試してみたい自分もいる。ここについては浅瀬になりやすい。でも好き。

情報感度は高く保ちたいが、低くもしたいから、そのレーダーの焦点というのを必要に応じて調整できるようにしたい。そんな欲張りな感じである。

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例えば、数年くらい前からTikTokをインストールしては「なにがおもろいねん」とアンインストールを4、5回続け、去年になってやっと面白さがわかった。通勤中にずっと見てしまうくらいになった。

まぁ、この反動もあって今はこうしてブログに帰ってきてはいるのだけど、年齢を重ねていくなかで価値観が凝り固まっていくのがイヤだ!というのもあるのだと思う。時代に乗り遅れたくない、というかさ。

それでどこかで「さすがにもうわからん」という感じで追いつけなくなっていくのだろうなと思うのであるけど、その片鱗が見えそうなものとしてNauNauというアプリの話があった。

創業者にインタビューしているReHacQの動画を昨日見ていたのだけど、まぁこれがおもしろかった。

NauNauというのは位置情報共有アプリなのだけど、最近の若者は「発信はしたいけど、ごちゃごちゃ言われたくない」というのがあるらしい。これは恐縮ながら、おじさんとして共感させていただいた。

ただ、いま中高生のいわゆるZ世代と言われるような世代との違いのは、おれの場合はブログという「テキストで発信できるぞ!」というところからインターネットでの発信がはじまっているから、「不特定多数に発信したいけど、ごちゃごちゃ言われたくない」という感じになっている。

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ちょいと話がそれたが、NauNauの話を続けると「友達と位置情報を共有する」というのは、おれからしたら「まじか」という感じである。おれの場合は不特定多数に発信してきた過去が多いから、すぐに「家がバレたらやばいやん」という感情がでてくる。でも、家族だったり同級生だったり、繋がる相手を選んで、ゴーストモードとかいう機能も活用すれば、そこまで問題ではないのだろうなぁと想像する。

この「随時位置情報を共有する」という価値観は、おれのなかで「わからない」に寄っている。理屈では「なるほどね!」となるが、自分が使うかというと二の足を踏んでしまう。この感じにさっきの「さすがにもうわからん」現象の近づきを感じた。

NauNauの創業者は「SNSの最終形態が位置情報共有アプリ」と言っていて、アプリの特徴として「発信はするけど投稿はしない」とも述べていて、めっちゃおもろ!となった。なんちゅう価値観や、新しい。

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ちょいと長くなってしまったが、こんな感じで時代に取り残されないようにがんばりつつ、好奇心のジェットコースターの穴も探しつつで、「浅瀬でぶらぶら」と「潜水探検」のバランスを探っている。

浅瀬はだらーっとしやすいから潜水もしたいのであるが、潜水にはちょいとモチベ(好奇心)も必要である。そのモチベ創出のきっかけが浅瀬なのか、装備完備なのか、時代の流れなのか、おれの脳内はふよふよしている。

「時代」と「好奇心」、この2つのうまいフュージョンを実現したいものである。

※サムネは以前のフォトウォークで撮影したもの

yoshikazu eri

当サイトの運営人。大阪生まれ千葉育ちの87年生まれ。好奇心旺盛の飽き性。昔は国語が苦手だったが『海辺のカフカ』を2日間で読破した日から読書好きに。気づいたら2時間散歩している。

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