理性をタンスにしまって感性フルスロットルしたい

届いた日記を読みながら、ふと「理解」という言葉の意味を調べてみたくて、自宅にある『日本語源大辞典』をパラパラとめくってみる。うぬ、見当たらない。では『新明解国語辞典』はどうか。

【理解】りかい
物事に接して、それが何であるか(を意味するのか)正しく判断すること。

新明解国語辞典 第八版 1637ページより

ふむふむ。ついでに「解釈」も調べてみよう。

【解釈】かいしゃく
他人の言動や古人の書き残した文章や歴史的実蹟などがどのような意味を持つものかなどについて可能な限り論理的に理解しようとすること。

新明解国語辞典 第八版 235ページより

ふむふむ。ちなみに「実蹟」は「じっせき」と読むらしく、物事が行われた形跡という意味らしい。

よし、では「分かる」も調べようではないか。

【分かる・解る・判る】わかる
未解決(未確認)の事柄について、推理・推論をめぐらしたり、適切な情報を拠りどころにしたり実際に経験したりして、確信の持てる(客観性のある)判断が下せる状態になる。

新明解国語辞典 第八版 1687ページより

ひたすら辞書で調べてるみたいになってしまっているが、最後に「感じる」も。

【感じる】かんじる
感覚器官を通して、暑さ・寒さ・痛さなどを知ったり善悪・美醜などを判断したりする。

新明解国語辞典 第八版 327ページより

— ☕️ —

なんで調べたかというと、これは俺の最近感じる「ワクワクするのむずくなってきてるのなんなん?」問題に繋がるからである。

例えば、なにか興味のあることが見つかって「やってみようかな」という感情がでてくる。そこでちょいと思考を巡らせてみたり、やってみた結果どうなるかという想像をしてみたりする。

そこででてくる自分の反応として頻度が増えてきているのが「う〜ん、どうかなぁ」というもの。

そもそも、ストレングスファインダーによると俺の2番目の強みは「内省」であった。要は、頭の中であれこれ考えるのが好きという感じ。

年齢を重ねていくと経験がどんどん増えていくわけであるけど、それは俺の”頭の中”のレールの数が増えて、シミュレーションできる分岐点が増えているということでもある。これは良いことでもあるのだけど、一方で感覚器官を通してやってみないとわからないこともあるのに、その手前で「う〜ん、どうかなぁ」というモヤッとした決断のようなものを一旦出してしまう。

— ☕️ —

冒頭で調べた言葉の話につなげると、これは自分の頭の中だけで”解釈”している、ということだろうか。

「理解する」「解釈する」「分かる」「感じる」という言葉を並べたとき、ここ数年でおれの脳がひきおこす反応として多くなっているのが「解釈する」な気がしてきた。

「理解する」「分かる」は実際に経験したことのある物事に対して、もしくはやってみて経験した先の反応であるから、これは「う〜ん、どうかなぁ」という反応の先に生じるものだと思う。

良くも悪くも経験が増えていった結果、この手前の段階で「こうなるかも」「実際どうだろう」みたいな、やろうとしていることがどんな”意味”を持つのか、引き起こすのか、を想像することで、頭でっかちな解釈になっていないか。

— ☕️ —

「理解」という言葉の意味が”正しく”判断することなのであれば、「なにが正しいんだ?」とも思うし、そうなると「理解なんていうのは幻想なんじゃないか」と思ったり、「理解の先には理解 V2、理解 V3と進化版があるのか」という理解の進化形態を想像してみたり。

「解釈」を重ねていくことで「理解」に出会い、また解釈を続けて理解する。そのどこかの地点で「分かった!」と確認を持つのかもしれない。そして、この間に「感じる」が入ることが大事なんだろうなぁ。

行動してみないと「感じる」には繋がらない気がするから、「解釈→理解→分かる」だとバイアスたっぷりな勘違い判断になるかもしれないし、というかこの流れで出現する「分かる」ていうのは危ないのかもしれない。

「見ようとしなければ、決して見ることはできない」というのは、「解釈ばっかりしてないで、感じろ」とも聞こえるような気がするし、さて、どんな方法だったらワクワクするんだろうか。

— ☕️ —

「ワクワク」という現象が「理性をタンスにしまって感性フルスロットル状態」だとするならば、解釈を繰り返したってここには出会えない気がする。

なんか最終的に「Don’t Think, Feel.」(考えるな、感じろ)という聞いたことのあるフレーズに行き着きそうな気がしてきているが、ちょいと書き換えると「Don’t overthink, feel more.」(考えすぎるな、もっと感じろ)かもしれない。

いや、むしろ「自分」という世界だけで閉じてしまうとマンネリ化が出やすくなると考えると、内省しがちな脳内思考大好きな自分への処方箋としては「本を通して他人の考え方に浸かってみるのだ」ということかもしれない。

いろいろと書いた結果、最終的に『スマホ時代の哲学』にあった言葉を、もうちょっと解像度高く解釈できたかもしれない。

※今回のサムネはBlender制作ではないです。フリー素材でございます。

yoshikazu eri

当サイトの運営人。大阪生まれ千葉育ちの87年生まれ。好奇心旺盛の飽き性。昔は国語が苦手だったが『海辺のカフカ』を2日間で読破した日から読書好きに。気づいたら2時間散歩している。

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