とにかく好奇心が流動的である。どこかに居座ろうという気配がない。「本を読んでいる」という状態は変わらないが、読む方向性というのがあっちこっちにいく。黒鳥社がYoutubeで展開している黒鳥本屋探訪というシリーズが好きなのだけど、「これから読む本が一番面白い」という副題があって、これがほんとうにわかるというか。
本を読む意欲のピークは「読みたい」と思った瞬間である。だから、本屋で「なにこれ」と出会った本があったら、その場で買ってすぐ読む、というのが好奇心を活かす意味でもやっぱりいい。アマゾンで注文しても届くまでの誤差が1日あるから、やっぱり「その場で買って読める」という本屋はいい。あ、でもKindleだったらすぐ読めるか。
とにもかくにも、その日に「読みたい」と思っていても、その本が届くのに数日かかってしまうと、その頃には好奇心が別の方向にいっていたり、「とりあえず積んでおくか」となることもある。積んでおくこともぜんぜんよいのだけど、「読みたい」と思ったときにすぐ読む、というのは大切にしたい流れである。
あと、本をどんどん積んでおくと、あるときに好奇心が巡りめぐって「そういえば」と再着陸することもある。これもいい。慣れてくると「これは今は読まないけど、いつか絶対読みたくなるやつだ。我が家にとりあえず存在させておこう」と、時差を見込んだ購入もできるようになったりするとかないとか。
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ビジネス、人文、経済などを読んでいたところで小説に移行してリフレッシュして、ここ数日は歴史に関心が向いてきた。これからどうやって生活費を稼ぐか、というなかに「英語を活かす」という選択肢があったりするのだけど、そういうことを考えていたら、なぜか「日本の歴史をもっと知っておかなくては」となっていた。
とはいっても自宅には歴史の本は数冊あるくらいである。歴史図鑑もあるが、日本史に関する本は一冊しかない。しかも教科書のような本なので、とっつきにくい。いつか読みたいのだけど、いきなりはきつい。ということで、とりあえず『歴史をつかむ技法』という新書を読んだところである。
そうやって読んでいたら、関心は古事記と日本書紀に向いてきた。それぞれまとめられたのが西暦712年、720年と千年以上も前の本であり、日本最古の歴史書らしい。古事記は日本国民に向けて、日本書紀は海外に向けて書かれたものだと。日本書紀はぜんぶで30巻とめちゃくちゃ長く、古事記はそうでもない。そういえば最近、町田康が関西弁で古事記を口訳した本がでていた。気になっている。数日前に書店にいったときは「ふーん」程度であった関心が、いまぐいっと寄っている。流動的だあ。
どうもいまは神話的なものに関心があるのか、遠野物語も読んでみたい。妖怪に関する話らしく、カッパについても書かれているそう。小学校時代のあだ名がカッパだったので、とても気になる。というか、これだけ読書をしてきてカッパに関する本を読んだことがないというのも、ちょっとおもしろいなあと思えてきた。
そんで、あとは茶道であったり侘び寂びであったり、そういう日本の価値観、美意識というか、そういうものも気になる。こうやって好奇心が動いては、新しい地点に降り立ち、また広がっていくわけであり、今日は書店散歩するのであるが、明日には「今度は統計学だ」とか言い出すかもしれない。
そのときそのときに「これだ」と見つけて焦点をあわせて向かい、吸収して、また移動する。吸収しようとしたらまた移動したくなって、吸収するべき手に取ったインプット群たちが自宅に積まれ、いつかの時間差的な「これだ」と重なるタイミングを待つこともある。積読本たちは、そういうタイミングをずっとずっと待っている。ゆーっくり発酵している。
そうやって考えていて、ふと「本屋で働きたい」と思う。金銭的なことは横に置いておいたとして、どこで働きたい?という意味での好奇心をまっすぐ向けられるのは、本屋な気がする。とまあ、そういうことも考えたりしていた。
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最近は、流れるように適当に書く感じである。このブログ自体だって、文体とか雰囲気はそのときそのときで変わっていっている。読んでくださっている方からしたら、何を期待したらいいかわからない状態かもしれない。何も期待なさらないのがよいのかもしれない。いやそれって一番むずかしいんじゃないだろうか。読んでくださるだけで、とてもうれしい。
ちょっと力んだやつはnoteに投稿しようと思ってはいる。いや、「力む」はちょっと違うな。まあ、ゆっくりでいいのだ。まあまあ、焦らずに。100均に布団干しシートがぜんぜん売っていなくて困っている。商品自体は存在しているはずだが。スケッチとか水彩画もまたやりたいし、ちょいと触った刺繍入門キットだってある。
そもそも、好奇心って落ち着きがないものなんじゃないか。本来そういうもんなんじゃないか。どうだろう。
※サムネはUnsplashより
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