豆腐といえば、木綿である。スーパーでは必ず木綿を選ぶようにしている。表面の硬めの食感が好きなんだと思うし、もしかしたら幼少期に上海にいたときの豆腐がだいたい木綿だったような気もしてきた。それが影響しているのかもしれない。
いつもいっているスーパーで木綿を探していたら、ない。売り切れていた。3つ入って100円くらいのやつである。まじか、と困った。まあいいか、と絹豆腐を買った。それで食べてみたのだけど、思ったより硬さがある。どうもぼくの中で絹は「すぐ溶けちゃう、崩れちゃう豆腐」となっていたのだけど、そこまでではないようだった。たまに絹を食べるのもいいかな、となった。味噌汁に入れるなら、絹のほうがよさそうでもある。
— ☕️ —
昨日『村に火をつけ,白痴になれ』を読み終えた。どうもいまの自分は「他者の人生」をのぞきたい欲があるようで、いまは『ある行旅死亡人の物語』を読んでいる。
行旅死亡人(こうりょしぼうにん)というのは、住所や氏名が不明な死者のことを指すらしい。初めて知った言葉だ。しかもそうした情報は日々更新され「行旅死亡人データベース」というサイトで誰でも見ることができる。この本の著者もこのサイトである女性の情報が目にとまり、「ん?」とひっかかり、どんどんと掘っていったことが書かれている。
以前から気になっていた本ではあった。現金3400万円を残してなくなった身元不明の女性、そりゃ気になる。それでいま50ページほど読んだのだけど、ちょっとゾクゾクしながら読んでいる。ミステリー的な感じはあるし、ノンフィクションの重みもある。「あちゃ、これちょっとこわいぞ」と思いながら、おそるおそる読んでいる。といいながらもおもしろい。あらら。
本としては別にホラーものということではない。そう感じる人もいるかもしれないし、活字でこういったものをあまり読んでこなかった自分は、そう感じる傾向がある。ただ、内容としてはそっちの方向には行かないだろう、ということで読んでいる。
まあでもホラー苦手な身としては、ちょっと一線を超えて選んでしまった本のような気もしてきた。これたぶん、ドキュメンタリー映像だったらぜんぜん見れちゃうんだけど、活字ってすごい。やっぱ想像しちゃう。どういう状況?と脳内で自分で想像しちゃうもんだからねえ。あーこわいこわい。
— ☕️ —
『爪と目』はホラー小説ということであった。メインの話と、べつに2つの短編がある。3つ目がダメだった。あ、これおれダメなやつだ、となった。ちょっと後悔した。苦手なやつだった。この作品の質をちゃんと見定めよう、判断しよう、となるための度胸がおれにはない。あーこわい。やめたってや。
そういう経験もあったうえで、今回は行旅死亡人の話を読んでいる。好奇心で手に取った本であるが、なかなかゾクゾクする。でもホラーではないだろう。だから、すいすいと読み進めたくなる状況である。この自分の境界線近くをさまよう感覚。「そっちはまじ無理」と「こっちはいける」の間に「これはいけるんちゃう?」という判断が生まれてしまい、そこであたふたする自分を想像する。
— ☕️ —
あーもう、好奇心ってやつはおそろしい。好奇心のコーキくん、もうちょっとおれのホラー嫌いを慎重にとらえてほしい。今回のはきわどいぞ。とりあえず読んでいるし、面白いのだけど、なかなかのことをしてくれるねえ。きみを信じているぞ。
こういう話を打ち込んでいるのもだんだん嫌になってきちゃうもんだから、早くおれはこれを書き終えて、タイトルを考え、サムネを探し、パソコンを閉じ、本を読みたい。ふー
※サムネはUnsplashより
Leave a Reply