妥協とこだわり

今朝も雨だ。じめじめとした天気が続いている。そういえば、昨日は向かいのアパートのベランダで兄が弟の髪をカットしている風景があって、なんか微笑ましかった。

さて、デザインの話である。といっても話は、ワードプレス、UI、UX、Figma、AIと乱雑に展開されていくであろうと、書きながらあらかじめ書いておく。しかも、いつもよりだらだらと長い。

— ☕️ —

ここ最近、デザインに関する本を買うことが増えた。読んだものもあるし、積読しているものもある。なんとなく、いままで直感的にやってきたデザイン的な作業の裏側を知りたかったのがある。直感でやっていた作業に名前があるのではないか、というような。

社会人になってからのおれのデザイン的な作業のはじまりはいつかというと、20代半ばのブログかもしれない。無料版のワードプレスを触り、そこから独自ドメイン、レンタルサーバー方式に変えていった。ブログ自体のレイアウトを考えたり、文章であったり、サムネであったり。ただこのとき、サムネに関しては自分で撮った写真かフリー素材か、という感じであった。

ここからフォトショで加工してサムネをつくったり、バナーをつくったりとなっていく。そんでYoutubeだ。動画制作はもちろん、サムネもごりごりに編集して制作していく。ブログ時代にサムネとタイトルがいかに重要かは学んでいたから、ここには当然労力の比重を置いていった。

ほかにもフライヤーをつくったりと、いろいろな面でビジュアルの作業というをやっていった。サイトもいくつかゼロから立ち上げた。ただ、全部独学だったもんで、「まぁ、こんな感じだろう」という直感的なやつである。

そのときそのときで本を買ったり、有料のデジタルコンテンツを購入してみたりはしてきたが、振り返るとどうも断片的というか、本能のままに、そのときの必要に応じてやってきたという感じである。

「これにはちゃんとした理屈があるのではないか」みたいなモヤモヤがでてきたのだろうか、デザイン系の本に手を伸ばしている自分が最近でてきている。まだうまく言語化はできないけど、なんとなくデザインというものの正体というのを、ちょっと知りたい欲求が出てきているのかもしれない。

— ☕️ —

そんな状況で最近でてきたのが、「アイデアを発酵させるサイトを作りたい」という欲求である。それNotionとかのメモアプリでいいじゃん?となるかもなのだけど、いやいや、一般公開する形で自分のアイデアを発酵させる場所をつくりたいようである。

たぶん、一般公開することで程よい緊張感が生まれ、「投稿するぞ」というモチベーションに繋がる気がしている。アイデア自体にあまり価値はない気がするから、大事なのは実行である。アイデアを投稿して、それを実行するまでの手助けをしてくれる自前サイトである。

Notionなどのサービスにまとめる場合は自分だけしか閲覧できないから、なんでも入れ放題なのであるが、これだとどうもぬるい。一方で一般公開サイトに投稿するとなると、当然ある程度のフィルターはかけることになるが、それでも世界にプレゼンテーションするような気分になって、ほどよい責任感と緊張感が生まれると妄想している。今までサイトを何度か運営してきたことでの発信の経験というか慣れもあり、これが「荷が重い」とならないような感覚がある。

— ☕️ —

それで、このアイデア発酵サイトはワードプレスで作ろうと思っていた。サブディレクトリを設定して、現状の独自ドメインを再活用する形で追加コストはゼロで、新しいサイトをつくれる。これでいいじゃん、と。

だがしかし、良いテーマが見つからない。海外のものを中心に、有料テーマも含めて探したがない。めっちゃ探した。もう脳が疲れた。「これいけるかも」というテーマはいくつか見つかって、デモ版を触っていじってみたが「ここは微妙だなぁ」というポイントが見つかったり、ワードプレス以外の選択肢も考えるべきだと思いはじめた。

ここでノーコードサイト制作ツールのSTUDIO、海外だとWebflowframerが浮かんだのであるが、これらを含めてもどうもしっくりこない。あ、Webflowは触ってないけど、STUDIOとframerのテーマリストを見てみて、framerは実際に画面を触ってみたりもした。「お、これだ!」というピンとくる感じはなかった、求めているデザインの実現においては。

ということで、ここでおれの脳内に現れたのがFigmaである。プロトタイピングツールだそうで、最近よく聞くやつである。Adobeが買収して、業界のスタンダードになってきている雰囲気を素人ながら感じていた。

元々は「Figmaってサイトは作れないじゃん。あくまで外面のデザインでしょ?」という印象だったのであるが、どうも制作したデータをFigmaファイルとして出力できるらしい。しかもframerに最近Figmaのファイルをそのままインポートできるプラグインがついたそうで、Figmaでデザイン→framerでサイト実現、ができるみたいである。もっといえば、Figmaファイルをワードプレスに変換する方法の動画もいくつかあったから、いよいよ「Figmaええぞええぞ」となってきた。

Figmaでのデザイン自由度はすごく高そうだな(というか無限大だな)という印象なのだけど、デザインに凝ればこるほど実装がむずいだろうな、という印象はあったわけだ。そんでもっておれはコードは書けないから「きついだろうな」という感じであったのであるが、プラグインでそのまま実現できちゃうんだったらええやん!と時代の素晴らしさを感じてきた。

— ☕️ —

それで昨日書店にいってFigmaの入門書を買った。帰宅してさっそくやってみたのだけど、どうも入門書すぎて「これで2800円は高い」という感じを受けた。ある意味でUI、UXの話をしているのに、素材ファイルのダウンロードがURLしかない。いやそこはQRコードを入れてくれや、とちまちまPCのブラウザにURLを手打ちしているところから、「おやおや」感はでていた。

いや、入門書としては良い本かもしれない。ただ、さすがにFigmaでのアカウント登録方法とかソフトダウンロード方法とか、そういう話はいいのだ。と思っちゃう自分がいて、最終的に「Udemyのオンラインコースのセールを待つ」という結論にいたった。それまでYoutubeの無料動画を見てもいい。

Figmaの入門書と同時に買ったのが『現場のプロがわかりやすく教えるUI/UXデザイナー養成講座』という本である。これがすこぶる面白い。特にUI、UXデザイナーになりたい!とかではなく、あくまで自前のアイデア発酵サイトをつくるための勉強ではあるのだけど、「そもそも」という大事な話をされているようで、これは買ってよかった。

UIはインターフェースとしてのユーザーとの接地面(表)、UXはユーザーの体験だからサイトから商品購入、届くまで、届いてから、などありとあらゆる体験全体となるとな。要するに、UIはUXの一部ということで、大事なのはエクスペリエンス(UX)という。

— ☕️ —

もっといえば、UI、UXを学ぶことはあんまりAIに代替されなさそうな普遍的なスキルなのではないか、とも思ってきた。下記の動画がおもしろかった。

おれが勘違いしている可能性もあるが、デザインが人間中心設計であるなら、それは人間に依存することにもなるから、じゃあAIが人間心理をどこまで理解できるのか?とか、人間って理屈で動かないよねとか、そういうふうに考えていくとUXデザインにおいては、AIはあくまで一部の効率化を担うくらいにとどまるのではないか、みたいな。ようわからんけど。

ちょっとまった。おれはそんな戦略的なことを考えたいのではなかった。ただただ、アイデア発酵サイトを作りたいだけだ。これはいわば、自分の家を自分で建てたい、みたいなものである。こだわりの家を自分で建てたい。ただそれだけである。

— ☕️ —

こうして書いてきたおれの好奇心の断片は、まだはじまったばかりだし、どうなるかわからないけど、ちょいとワクワクはしている。よい兆候である。そこには「AIに代替されずらいスキルもついでにつまみ食いできちゃう?」みたいな妄想もくっついてはいる。

もっといえば、「サイトをつくる」という勉強をする過程で、そのためにAffinity Designerでロゴを作るかもしれないし、Splineで3Dモデリングするかもしれない。そうやってちょっと興味があった物事もつながっていくのではないか、というのもあったりする。好奇心の断片の上に位置する好奇心を見つけたような気分である。

とはいってもどうなるかわからない。すべては幻想かもしれない。そうじゃないかもしれない。とりあえず、サイトのプロトタイプでも考えつつ、本を読むか。

※サムネはUnsplashより

yoshikazu eri

当サイトの運営人。大阪生まれ千葉育ちの87年生まれ。好奇心旺盛の飽き性。昔は国語が苦手だったが『海辺のカフカ』を2日間で読破した日から読書好きに。気づいたら2時間散歩している。

Leave a Reply

Your email address will not be published.

CAPTCHA