インプットの気分転換

最近はずっと暑くて、外を散策というのがおっくうになる。やるなら夕方以降ということだろうが、それでも気温30度は超えてるんじゃないか。異常である。いつもこうしてカフェで作業して、「ここに行こう」とパソコンが入ったバッグをそのまま背負って歩くもんだから、家に帰るとだらーんとしてしまう。

MacBook Pro 16inchは重さが2キロあるらしく、そこに場合によっては本を2〜3冊入れていたりするから、3〜4キロくらいを背負って猛暑のなかを歩いていることになる。平たんな山登りをしているようなものかもしれない。

あー、カフェはすずしくていい。

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「7月はリサーチだ」とインプットに徹すると決めたものの、昨日カフェで読書後のインプットをやっていたら、どうも指が重たい。どうやら、脳はもうインプットを受け付けていないのか、同じような種類に飽きたのだろうか。

こうして書いているブログもそうだが、そろそろ行動をアウトプットに少しずつシフトしていくほうがいいのではと感じてきた。スポンジになるのはいいが、たまにはギュっとしぼっていきたい。

ただ、こういうのは今までやってきたことではある。インプット過多だから、アウトプットする。単純な話だ。これをちょっとアップデートしたく、今回は「インプットの気分転換をする」というお題を自分に課してみた。

そういえばここ2週間ほど、カレーばかりを食べている。さすがに飽きてきた。脳もそんな感じかもしれない。

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ということで関心を「文学」にうつし、手はじめに『タイム・スリップ芥川賞』という本を読んだ。著者は、10年前に「世界一即戦力な男」としてバズった菊池良さんである。

どのような経緯で芥川賞が生まれたのか、という歴史を主人公が博士と一緒にタイムスリップしながら冒険していく内容である。当時の時代の出来事や空気感もそえられていて、おもしろく読んだ。ぼくが生まれた1987年は村上春樹の『ノルウェイの森』が発売された年だったか、と思い出した。路上観察で知った赤瀬川原平は、尾辻克彦という名の芥川賞作家であることも知った。

引き続き読書という名のインプットはしていきたいのであるが、それを「文学」「小説」にうつそうと思った。小説であれば速読もしないし、付せんで気になった文章をメモするとかは基本的にしないから、キーボードの上の指が重たくなっていたObsidianへの入力作業もほぼ発生しない。

ただ物語を楽しむ。じっくり読んでみる。そんなインプットの気分転換である。小説を読むことを「インプット」とするのは、なんかしっくりはこないが、とりあえず。

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昨日書店にいったとき、普段はほぼいかない小説コーナーを歩いて「おれはぜんぜんこのコーナーを歩くコンパスを持っていないな」と感じた。村上春樹、宮部みゆき、伊坂幸太郎、村上龍、山田悠介と、ポツポツと知っている作家の札で目は止まるが、結局は端から端までみていく、という感じになった。

ほかのビジネス、経済、生物学、IT系コーナーなどでは、なんとなく自分なりにぱぱっと歩けて、目の瞬発力がある。だが、小説エリアに限っては、今までの読んできた量がそこまでないのか、ただただ目の前の大量の本に圧倒されるばかりである。

「好きな作家は?」と聞かれたら「村上春樹」と言えるくらいに読んではいるが、あとは他の作家の本をぽつぽつ読んだくらいである。最近、『街とその不確かな壁』を読み終えたが、それがずいぶんと久しぶりの小説体験だった。

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それでいまは『コンビニ人間』を読んでいる。芥川賞を受賞した小説は200ページないくらいの薄い本が多いし、ある意味での”お墨付き”があるから、とりあえずはいくつかの芥川賞本を読みつつ、積読している長めの小説にも手を伸ばしていきたい。

ひさしぶりの小説体験、文章をじっくり読んでいる。そこにある表現にひたってみる。ぽんぽんと飛ばしながら「効率的」という言葉をただよわせて読むビジネス書とはぜんぜんちがくて、気分転換になりそうな感じはある。

「インプットの気分転換しよう」という自分にとっての新しい視点を入れ込んでみたい。あと、小説を書くのにやっぱり関心があるのだなぁ、という自分も発見したり。

※サムネはUnsplashより

yoshikazu eri

当サイトの運営人。大阪生まれ千葉育ちの87年生まれ。好奇心旺盛の飽き性。昔は国語が苦手だったが『海辺のカフカ』を2日間で読破した日から読書好きに。気づいたら2時間散歩している。

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