前のめりの意味と体感

カフェ気分ゾーン、だいぶできあがってきた。買ったカーテンをつっぱり棒で固定して、クランプ式の安いデスクライトも調達した。安かったのでだいぶちゃっちいが、まあ仕方ない。機能すればいい。

カーテンで仕切ると部屋のライトをさえぎるから、ライトは必要である。お昼であれば太陽光でいけるが、夜はきつい。PC作業であれば液晶ライトで明るいけど、さすがに読書や手書きでなにか書くときは必要である。

あとはミニホワイトボードが必要かどうか、という感じである。ここで厳密に「カフェにホワイトボードないやん」として設置はやめるか、「必要なものをそろえればええ」と調達するか。とりあえず何回かこのセッティングで使ってみて、必要に応じて追加していこう。

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それで、前のめりの話である。最近になってやっとこの言葉の意味というか、体で理解できるようになってきている気がする。

「前のめり」という言葉はいままでけっこう使ってきたし、使いはじめた時期はバックパッカー旅から帰国した10年前、26歳の頃だろうか。”暮らしかた冒険家”の伊藤さんとジョニーさんが自由大学で開講していた「DIY実験室」に参加したときからであっただろうか。

内容としては、なんでもDIYしよう。プロに頼まずとも自分でなんとかできちゃうよー!という感じで、写真撮影からサイト制作(Tumblr活用)などの話があったと記憶している。このとき「前のめり」がキーワードだった気がする。みなさん、前のめりになってやっちゃいましょー!自分でできちゃうよー!というような。

このときから「前のめり」という言葉を何度か書いたり、会話でも使ってきた。

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最近、実験でX(旧Twitter)のプレミアムに課金してみた。興味はあったものの、実行する手前で「はて」と脳内で言葉が浮かんでくる。

・課金したとてどう活用する?
・長文投稿したい?いまブログやってるじゃん
・とりあえずプレミアム前提の戦略かためてみたら?

などである。

こういう言葉は、経験を積めばつむほど多くなってくるような気がする。脳内で「やっても大丈夫?」というストッパーのようなものが生まれる。仮に月5000円のサブスクであったら、まあちょっと考えてみてもいいだろう。でも月千円だ。新書1冊分だ。外食1回分より安いくらいだ。

そこで「えいや!」とごたごた考えずにパソコンで課金をポチっとした。その瞬間

・やっちゃった
・はじまっちゃった

という感情がでてきたわけだが、同時に

・はじまった
・なんか考えるかー!
・やるっきゃない

と「これこそが”前のめり”なのでは」と思いたくなるような状況になった。理性よりも行動が先行した結果、前に進む力が生まれたというか。

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前のめりって、どういう状況だろう。ちょっと考えてみる。

例えば、いま自分は山を散策している。目の前に小川が現れる。いまいる場所と小川の先で風景が変わっている。いまいる場所は、緑が生い茂っている。小川を渡ると、砂漠だ。

そんな状況は自然界になさそうだが、妄想なのでいい。で、緑か砂漠か、で状況は違うだろう。景色が変わることはもちろん(緑のほうが好き)、温度だって暑くなるかもしれない。そうやってなんとなく小川を渡った向こう側の状況を予測する。

このとき、「いまは砂漠に行きたくないな」と行かないのが、いままでの自分。ここを「いってみっか」と小川をピョンと飛び越えちゃうのが、最近の自分。

飛び越えちゃったら、進むっきゃない。しかも小川の幅が、がんばってジャンプして飛び越えられるくらいである。1.5m〜2mはあるとしよう。

そうすると、力いっぱいジャンプして渡るから、着地したときの勢いのまま、勝手に数歩すすんでしまう。これが前のめりってことなのかもしれない。思い切って飛んだ結果、最初勝手にちょこちょこ進んじゃう。

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前のめりの行動をしたときも、こういう初期駆動のような力が生まれる気がする。あれこれ考えるよりやっちゃう。やっちゃうと、とりあえず進んじゃう。理性が強くなってきているなかで、こういう行動は大事なのだなと感じた。

ちなみに、Xのプレミアムは1ヶ月限定で終わらせる予定である。やってみたが、ちょっとよくわからなかった。まあそういうのもいいだろう。砂漠にいってみて「暑い!おれ無理!」と思ったら、戻ればいいのだ。

そんな感じで、最近はなにかをやろうとするときに、理性が駆動するのを察知したら、「行動ポチ!」としちゃったり、「どうなるだろう」という理性をはねのけるようにしている。

『実験の民主主義』の最後に聞き手の若林恵さんが「意志・知・リテラシーから実験・行為・コンピテンシーへ」ということを書かれていた。

意志と知は脳内である。これも大事であることはもちろんだが、ここが肥大化しすぎないよう、「実験・行為」に寄らせて前のめりになったほうが、なにかいい感じの駆動感が生まれるのではないかと思っている。

yoshikazu eri

当サイトの運営人。大阪生まれ千葉育ちの87年生まれ。好奇心旺盛の飽き性。昔は国語が苦手だったが『海辺のカフカ』を2日間で読破した日から読書好きに。気づいたら2時間散歩している。

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