40年前の岩波新書

いい古本屋に出会えた。自転車で30分かかったけど、昔の本がたくさん売ってあって、「これぞ古本屋の醍醐味」とでも言いたくなるような店だった。同人誌の量がめちゃくちゃあり、マニアックな雑誌(鉄道とか軍艦とか)のバックナンバーも満載、雑誌ガロも置いてあった。

個人的に気になったのは、新書コーナーだった。最近の本も並ぶなかで、表紙カバーがないものがあった。見てみると、岩波新書だった。

そもそも古いというだけで香ばしくて惹かれるのだが、表紙カバーがなければ、作者のプロフィールさえも書いていない。しかも定価は280円と表記してある。

出版されたのは、1978年。自分が生まれる前の本を手に取り、ちょっとした化石を見ているようでテンションが上がった。

調べてみると、岩波新書は今までに「赤」「青」「黄」「新赤」と出版しているようだった。

赤版は1938年の創刊以来46年まで101点、青版は戦後1949年から1000点、黄版は1977年から396点刊行されました。そして1988年からは新赤版として新たにスタートしました。

岩波書店公式ページより引用

今回買ったのは「黄」の『読書こぼればなし』(アマゾンには売っていなかった)と「青」の『数学入門』である。後者は1959年出版、しかも「黄」とは表紙の向きが逆だった。

帰りに某有名古本チェーンで『これからの本屋読本』も購入

今では当たり前の著者のプロフィールがなかったり、表紙の向きが違ったり、表紙カバーがなかったりと、もちろん本の中身に興味があっての買いだったが、それと同じくらい「古本」というパッケージに惹かれた。

定価280円と聞くと安いように感じるが、当時の物価から考えると、そうでもなかったのかもしれない。

まぁとにかく、よい古本屋に出会えた。ちょっと神保町を思い出した。なんだか最近、古本に惹かれる自分がいる。

入っていた、しおりの豆知識感もよい

yoshikazu eri

当サイトの運営人。大阪生まれ千葉育ちの87年生まれ。好奇心旺盛の飽き性。昔は国語が苦手だったが『海辺のカフカ』を2日間で読破した日から読書好きに。気づいたら2時間散歩している。

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