「知りたいこと」と「知らないこと」の間

早朝にベランダにでると、原付集団が元気に「ぶるんぶるん」と走っていった。早から元気だな、と思いつつ、朝６時で空はこんなに明るいのか、とも思った。

朝食の準備のために冷蔵庫を開けて、昨日買ったキムチを昨晩食べるのを忘れたことに気づいた。ヨーグルトはブルガリアだ。昨日スーパーでもっと安いやつを買いそうになったが、ヨーグルトによって菌の種類が違うようで、どこかで「同じヨーグルトを食べ続けたほうがいい。菌にも相性がある」と読んだことがあり、数十円高い歴史あるブルガリアをまた選んだ。「本場ブルガリアのLB81乳酸菌」、なんか良さそうじゃないの。

Re: 恥より単語

最近、「知りたいこと」と「知らないこと」の間をどう行き来するか、ということを考える。前者は好奇心に任せて勝手に掘り進めていけそうだが、後者に触れることはなかなか難しい。そして、「知らないこと」に触れたときに好奇心が駆動したら、それは「知りたいこと」になることを考えると、「このどちらか」ではなく、自分の感情がこのエリアをどう漂っていくのか、ということだろうとも思う。

現在地点を知る。そこから遠く離れたところにあるものにどうやって手を伸ばせるか。その冒険の仕方を考えていく、脳内旅行がたのしくてしょうがない。考えるを深めるために考える、というプロセスから高ぶる。

例えば、じゃみーが読んでいるということで、昔買った本をまた読んでみる、とか。「この本おもしろいっすよ」とおすすめされるわけではなく、なんとなく読んでみる。じゃみーと話すなかで、おれの中で「知りたいことー知らないこと」の間を浮遊している単語として「場づくり」「妖怪」「落語」「漫才」などもある。そうしたどっちつかずな言葉たちが好奇心の錨を下ろすきっかけというのは、なんなのだろうか。

おすすめされてなにかをするのは「知りたいこと」になりやすく、それもそれで全然楽しいのだけど、おすすめされていないのになんとなく気になって、なんとなく手に取ったり、やってみたり、そういう中途半端なとっかかりに挨拶をすることが「知らないこと」に触れることなのだろうか。うーむ

そうやって考えていくと、辞書、百科、図鑑などは「知りたいことー知らないこと」の間を冒険するためのものでもあるのだろうなと思う。特定のことを知ろうとするのではなく、なんとなくその広大な情報群を眺めてみる、そうすると「ん？」となり、「知らない」が「知りたい」に変わるとか。

こういうことを考えちゃう理由として、最近ちょっと落ち着いてきた、でも好奇心はあるから気になることは掘り進めちゃう、でもそうすると自分勝手なトンネルをひたすら掘り続けて思考が固まるのではないか、知識が増えることが「頑固」「固執」に繋がっちゃうのではないか、とかいうのがあったりする。『訂正する力』でいうと、頑固な部分を持ちつつ、訂正していくということなのだろうとも思う。

最近の自分の中でのキーワードは「他者」「利他」だろうか。自分のことをケアするのはだいぶやってきた気がするから、そこは頑固にしっかりやりつつ（大事だからね）、もっと他者のことを知るために本を読んだり、考えたり、行動したりということが、なんとなく、これからの自分には大事なのではないかとぼやっと考えている。その延長線上に、最近の小説を読む行動もちょっとあったりする。

いろいろ書いたけど、要するに「知のコンフォートゾーン」の外にどういくか、ということのような気がしている。

p.s. 『不適切にもほどがある!』おれも昨夜みおわった。いまちょうど『傲慢と善良』という小説を読んでいて、そこで「自己評価は低いのに、自己愛が強い」というような言葉があったりした。この言葉と「寛容」は、地続きで繋がっているような気がしてきた。

ネトフリの『三体』は見終わった。おもしろかったが「続く」である。ガチで楽しみたい人は、さきに原作（ちょうど文庫がでた）を読んでからのほうがより楽しめるだろうと感じた。

あと最近『本を読む本』を買って、それをつまみ読みしていたら「小説は無防備になって世界観に浸る、抵抗しないことが重要」と書いてあって、なるほど、となった。文芸書などは警戒心をもって著者に反論してみるとか、考えながら読むとかはするといいけど、小説はむしろそうした自分の考えや価値観は横において、その世界観に無防備に心をあずけることが大事だと。最近になって小説をよみはじめて、このあたりの筋肉が必要なのだな、と思いつつ、本といっても色々種類があり、世界は広いなあと感じてる。