世界の歴史大図鑑

図鑑の魅力

つい最近、図鑑を持っておくことのワクワク感を知った。日々読書をするなかで「紙と電子どっちがいいのか」という視点は持っていたけど、図鑑こそ紙で持っておくべきものだなぁと感じる。

なんていったって、図鑑は贅沢。大判サイズに全ページカラー、ありとあらゆる情報が詰め込まれていて、読むというよりも眺めることが楽しい。なんか子供の頃を思い出す。これこそ、電子じゃなくて紙で持っておくべきだなぁと。

紙か電子か

これは「どっちか」というよりも、紙向きの本と電子向きの本があるということだと感じる。

今までは「ページをめくる感覚がいい」「紙の匂い」「なんか安心する」といった理由で、本を買うなら紙派だった。

でも、その後Kindle端末を買って電子でも読んでみると「新書は電子だな」とか「寝る前に読むとすぐ寝落ちできる」といった魅力も発見した。結果的に、紙と電子の比率が半々くらいになった。

電子の話をすると、月1000円で図書館を持ち運べるようなKindle Unlimitedというサービスも良い。これはピンポイントで読みたい本を探すというよりは、「このジャンルは全然知識ないな」という本を数冊ざっと読むのと相性がいい。

ちなみにKindle端末は最上位機種のOasisを購入。これがめっちゃ軽いし、ページ送りボタンも地味に便利。ただ1点気をつけるべきなのは、ケースが端末本体より重い場合があるから、これをチェックしないとケースを装着したときに「重!」となる。

ということで「紙か電子か」という見出しをつけておきながら、自分の意見を言っていなかった気がするので、ここで加えておこう。

個人的には、やっぱり「紙」である。これは利便性ということよりも読書体験として。

電子は保管場所をとらないから特に新書などには向いていると思ったが、読書体験としては紙が勝る。なんかこう、物体としてそこに本があり、そのページを手でめくり、という独特なものがある。

まぁ要するにケースバイケースということにはなるのだけど、ふと「紙で買うべき本ってなんだろう?」と思ったとき浮かんだのが図鑑であった。ふぅ、ここでやっと本題に戻る。

歴史より地理を選んだ過去

図鑑といっても色々なジャンルがあるが、ぼくが最近買った例でいうと『世界の歴史 大図鑑 【コンパクト版】』がある。

世界の歴史大図鑑

高校時代のぼくは「過去のことを知っても意味がない」と思っており、選択授業で地理を選んでしまった。読書するようになり、社会人にもなっていき「歴史は繰り返す」という言葉の重みがわかるようになったのだが、歴史音痴であることは今も変わらない。

そんなこともあり、今まで何度も歴史本を読んではきたけど、なぜか知識が一定期間でリセットされる。なぜだ。おれの脳は歴史情報をストックできないのか。

それで満を持して(?)図鑑を買ったのであるが、眺めるのが楽しい。「図鑑って読むんじゃなくて眺めるものなんだな」とふとした瞬間にパラパラとめくっている。

電子版の図鑑もあったりするが、これは紙で持っておきたい。ぼくはタブレットを持っていないが、タブレットを持っていたとしても、この重たい紙の物体を選んだほうがいいと、紙の匂いをかぎながら、ページをパラパラとめくりながら思う。

まぁ、持ち運ぶのはなかなかの筋トレになってしまうけど。

宝探し端末

図鑑を持つワクワク感というのは「情報倉庫感」な気がする。歴史についてちょっとした疑問がわいたら、この図鑑を開けば、どこかに「へ〜!」と感じるような情報がある。ちょっとした宝探しゲーム端末を持っている感じ。

この年になって図鑑を手に入れて、親が子供に図鑑を買い与える理由がわかった気がする。図鑑というのは、そのジャンル(生物、人体、歴史、植物など)によってカテゴライズされてはいるものの、他の書籍に比べて情報の詰め込み具合が違う。

例えば「14世紀のフランスの様子を知りたい」というのであれば、それについて書かれた新書や単行本があったりする。これは電子で読むのも全然あり。

でも「世界の歴史について知りたい」というのは幅が広すぎて、それを全部網羅するとなるとページ数が膨大になり、結果として「図鑑」になる。分厚い。重い。

ワクワクの入り口を見つける

親が子供に図鑑を買い与えるのは、それによって「これ面白い!もっと知りたい!」と感じるジャンルを見つけるための入り口になるからかもしれない。これは大人でも同じだと思う。

歴史図鑑でいえば、一見この図鑑は「歴史」というカテゴリーで絞っているように見えて、絞っていない。そこには、政治家、科学者、革命家、土器、当時の雑誌など、かなり広い情報がある。

そうやってパラパラめくっていったときに「この人すごいな」と思って、その人物の伝記を読むとか、「こんなに昔なのにすごい完成度の装飾だな」と建築の本を読むかもしれない。そうやって自分のワクワクを探していく。

図鑑は価値が下がりにくい

最後にもう1点、図鑑の特徴を言っておくと「情報の価値が下がりにくい」かもしれない。

もちろん、版を重ねて内容がアップデートされることはあるだろうし、新発見でいままでの歴史がくつがえるということもある。

それでも「図鑑」というのは、ある意味で事実の集合体でもあるから、5年、10年後にパラパラとめくっても、その価値はそこまで下がっていない気がする。

「これについて知りたい」と好奇心がわいた時、集中力を高めて前のめり姿勢で読むのが新書や単行本であるなら、図鑑は「?」マークが浮かんだときにぼーっと眺めても楽しめる、宝探しゲームだと思う。これはググるのとも違ったワクワク感を生み出す。

そういう意味で図鑑は電子ではなく、紙で持っておきたいと思った。

yoshikazu eri

当サイトの運営人。大阪生まれ千葉育ちの87年生まれ。好奇心旺盛の飽き性。昔は国語が苦手だったが『海辺のカフカ』を2日間で読破した日から読書好きに。気づいたら2時間散歩している。

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