『絶メシロード』の親近感

最近『絶メシロード』をみはじめた。まだ2話までしか見ていないなかでの感想ではあるが、夕食中に「いいなぁ」と親近感を味わっている。

2020年1月から放送されている深夜ドラマのようで、存在は知っていた。『カメラを止めるな!』の映画監督役の濱津隆之が主演ということもあったし。

「絶メシ」には「絶品だけど絶滅してしまうかもしれない」という意味が込められている。1話のうどん屋では主人公が「この味ずっと守り続けてくださいね」と言うと、「そんなの無理無理。後継者いないし」とオーナーが冗談交じりに言い放つシーンがあった。

「この味、もう食べられないかもしれない」と思うと余計においしく感じる、という話である。しかも、訪れる場所は実在するレストランらしい。


とまぁコンセプトはこんな感じなのであるが、個人的に好きなのは主人公の普通具合である。

今まで『孤独のグルメ』『深夜食堂』といったグルメドラマを見てきたが、この両者とも主人公は言ってしまえば変わり者である。

『孤独のグルメ』の主人公は輸入雑貨の事業を営んでいて、『深夜食堂』は名前の通り、深夜にオープンする食堂を営んでいるのが主人公である。

両者とも経営者であり、どこか「すごいなぁ」と感じるようなところがあり、ドラマの質としては「食堂」というよりも「洋風レストラン」のようなシャレた魅力があるように感じた。


一方で『絶メシロード』の主人公は、妻子持ちの普通の中年サラリーマンである。その彼が毎週金曜日の夜に車で出かけ、車中泊を楽しみながら、土曜に絶メシを堪能する。見ていて「これ俺でも楽しめそう」と思える親近感がある。

主人公の性格も気弱というかやさしい面があり、残業までして部下のプレゼン資料を改善してあげたり、LINEの既読スルーをなんども気にしてしまったり、「そういうことあるよね」と思ってしまう。

「誰も誘わない」「誰も巻き込まない」「予算はお小遣いの範囲内」をモットーに出かけているようで、これはコロナ渦でもできそうな贅沢でもある。

ぼくは車を持っていないのであれだが、車中泊というのも楽しそう。2話で主人公のマットレスが改良されるのだが「おお、すごいすごい」と喜び、自動で空気が入ってふくらんでいく様を「まだいく?まだいく?おお!」と喜んでいるシーンなんて、親近感の塊である。

yoshikazu eri

当サイトの運営人。大阪生まれ千葉育ちの87年生まれ。好奇心旺盛の飽き性。昔は国語が苦手だったが『海辺のカフカ』を2日間で読破した日から読書好きに。気づいたら2時間散歩している。

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